腱膜性眼瞼下垂症になると一重の人が二重になったり、二重の人が三重になったりする。眼瞼下垂症になることでできる二重や三重は浅く不完全なことが多く、埋没二重を希望して来院される患者様が多い。そして大抵の場合が腱膜性眼瞼下垂の代償期であり開瞼の見た目は正常に見えてしまう。
しかし、腱膜性眼瞼下垂は別章で述べた通り瞼を上げる筋肉や腱膜に問題が生じて開瞼が弱くなった状態でしかない。腱膜が瞼板から外れ、ミュラー筋に既に負荷がかかった状態で開瞼をしている。
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そんな瞼に糸をかけて二重を作るというのはどういうことだろうか?
瞼を上げるだけで負荷がかかってしまっている筋肉、腱膜に更に二重を作るための労働をさせる。完全に過重労働となる。
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瞼を開く筋肉の力で二重を作ることになるので、筋肉が弱い眼瞼下垂症の人はそもそも二重は深く入らない。それだけではなく糸がかかることで目を開くことが重たくなる。
開瞼が辛くなり、おでこの筋肉の補助を必要とし、必然的に眉毛が上がる。眉毛を上げると二重部分が引っ張られ外れやすくなる。負のスパイラルでしかない。
当院や眼瞼下垂に精通している形成外科医であれば腱膜性眼瞼下垂の代償期を診断することは難しくないため、間違って眼瞼下垂症の患者様に埋没をすることはないであろう。しかし、残念ながら見た目が正常に見えてしまう腱膜性眼瞼下垂症の代償期の場合、眼瞼下垂症と診断されることもなく埋没二重術をされてしまうことが多い。
埋没二重術をしてはみたが
- 何度施術しても外れる、或いは二重が浅い
- 埋没二重術の後から目が重たく感じるようになった。
- 埋没二重術の後から頭痛が多くなった。
- 埋没二重術の後から目の周りの痙攣が始まった
この様な方は是非形成外科専門医のいる医院を受診してみてはどうだろうか。