年に１度眼瞼下垂の相談に来る患者様。

今回で３度目の来院。

去年までは診断希望で来院されていたけれども、今年は他院で眉下切開をしてきていましたとの報告も・・。眉下切開をしたけれども、目は軽くなりませんでした・・・。

それはそうでしょう。眉下切開の手術で眼瞼下垂が治ることはありません。

• 眉下切開まゆしたせっかい

眉下切開は眉の下の皮膚を数ミリ切り取るだけの手術。皮膚のたるみをとるだけの手術。
この手術で良くなるのはたるみが少し取れるというだけのこと。眼瞼下垂症というのは皮膚のたるみではありません。まぶたを動かす筋肉などの構造に問題が生じてしまった状態です。その壊れてしまった構造を治さなければ治ることはありません。

それどころか、眉下切開手術をした後に眼瞼下垂症手術をすると術後の目の周りの印象がキツくなってしまうことが多いです。眉下切開をしないで眼瞼下垂症手術だけであればそこまでは大きく印象は変わらないのですが、まぶたの皮膚が眉下切開手術で少なくなってしまっている分、見た目の変化もそれなりに出てしまい、この点はなかなか難しい問題になってしまいます。

眼瞼下垂があるからこそ、目を開くために眉毛を上げています。だから、まつ毛と眉毛の間の幅が広く感じる。でも、まつ毛と眉毛の間が広くなっている原因は眼瞼下垂なのだから、眼瞼下垂を治せばそれで済みます。眉下切開をする必要は全くありません。眼瞼下垂症手術をするとそれだけでまつ毛と眉毛の間は狭くなります。

でも、先に眉下切開をすると眉毛が下に下がってしまい、その上で眼瞼下垂症手術をすると更に眉毛が下がります。まつ毛と眉毛の間が狭くなるとキツい印象、険しい印象になってしまいます。

眉下切開の手術は術者にとって非常に楽な手術となります。ただ皮膚を切り取るだけですから。目の開きも、二重のことも考える必要がない、術者にとっては非常に楽な手術なんです。だから勧められることも多いと思います。

眉下切開手術を受けるのは慎重に慎重に考えて下さい。