眼瞼下垂の匠 第5章:腱膜性眼瞼下垂症と治療法
筋肉の動きは問題ないタイプの治療法
前述の通り筋肉の動きには問題ないタイプの代表は「
この腱膜性眼瞼下垂症の治療として松尾名誉教授が考案された『腱膜固定術』が世に知られるようになり、その結果眼瞼下垂症という疾患を一般的にもよく耳にするようになりました。『腱膜固定術』は「信州大学式」や「松尾法」とも呼ばれております。
第3章で説明した通り、
腱膜固定術(信州大学式、松尾法)
『腱膜固定』とは眼瞼挙筋の働きをしっかりと瞼板に伝えることができるように外れたり、緩んでしまった腱膜を瞼板に再固定する方法です。「松尾法(信州大学式)」はミュラー筋をいじることなく腱膜の働きを生理的な状態(位置)に戻します。このため筋肉に操作を加える他の手術に比べて遥かに手術時間も短く、圧倒的に腫れも少なく手術を終えることができます。
手術により、外れていた腱膜が瞼板に縫い止められると開眼時には眼瞼挙筋の働きで簡単に目が開くようになります。
腱膜前転術(当院の方法)
当院院長も以前勤務していた大学病院で信州大学式を取り入れていたため、松尾式眼瞼下垂症手術を忠実に再現した手術を多数経験して参りました。しかし、必ずしも全ての腱膜性眼瞼下垂症の患者様が満足いく結果ではなかったため、独自に更なる向上を目指し、問題が生じている部分を一人ずつ、一つずつ補修する作業を積み重ね現在の手術法に辿り着きました。
これによりミュラー筋が過度に伸ばされることや逆に全く刺激を受けなくなることもなくなり、ミュラー筋の受容体も刺激されることなく交感神経系も落ち着き、全身がリラックスした状態となります。これにより頭痛、肩凝り、自律神経失調症などの症状は改善されます。
手術後患者様は様々な症状から解放され、バランスの整った生活ができるようになっているように思います。見た目も若返る手術ではありますが、生活の内容自体も若返る、究極のアンチエイジング手術の様に思います。
第6章では
院長よりアドバイス
目を開いている時に目の開きが正常に見える方でも
関連治療
- 第1章:眼瞼下垂症の分類と種類
- 第2章:眼瞼・まぶたのしくみ
- 第3章:眼瞼下垂症の種類を図解
- 第4章:眼瞼下垂症の自覚症状
- 第5章:腱膜性眼瞼下垂症と治療法
- 第6章:老人性眼瞼下垂と治療法
- 第7章:偽眼瞼下垂症と治療法
- 第8章:先天性眼瞼下垂と治療法
- 第9章:眼瞼下垂症例写真
- 第10章:眼瞼下垂症のよくある質問と回答